おやすみ、といって、電気を消した。犬はまだ私の方を見ていたけれど、私もロビンの目をじっと見ながら、電気を消した。
真っ暗になって、ロビンは見えなくなった。けど、ロビンはきっとまだそこにいる。きっとまだそこにいて、わたしがさっきまで見えていたところをじっと見つめているだろう。
わたしもロビンがさっきまでいるところをじっと見つめて、ちょっと微笑んで、階段を上った。
しかし私はただ単に、ひとりで暗やみの中で微笑んでいただけなのだ。
ロビンは消えた消えてないけど見えてないから消えた消えた さようなら
電気を消したあとも、そこにまだいろいろなものがあるだなんて、信じられるだけには大人なようだ。
真っ暗な中で、そこにいつもどおりなにかがあると理解しているのは、全く愛を信じることと似ている。
おやすみと言ってあたしは壁際のスイッチを押して世界を消した
短歌って短歌と思わないで読むとただの文だね。
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