2007/12/28

L'ECUME DES JOURS

家に居るときも香水をつける
お風呂から上がったらまだ暖かい肌に吹きかける
細かい粒子が散り散りに、肌に乗ったり、乗らなかったり・・・

光にかざししてみる壜は、向こう岸の壁面のガラスに付いた指紋さえ驚くほど芸術的に見せる
少し振ると香りの水面にはけらけらと笑うように、薄桃色の真珠が浮かぶ
いつも海底に沈んでいる自分達を必死に取りにもぐる人間達をけらけらと笑うように
いとも簡単に水面に浮かび上がって笑う
しかしその真珠はほんのすこしふれただけでぱちんとまたもといた海底に戻っていってしまうのだ
甘い匂いだけを残して
香水にたつ泡

本の背骨を、爪で押してみる 彼らは紙でできているから、これから何をされるのか不安がるようにぺこぺことへこんでいる

今ここにいない人のことを考えていてもしょうがない。
お、生れて初めてこの考えが出てきた。
いつもあたしはここにないことのことばかり考えてきたから

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